2次元の縁側

平成の終焉とともに推しごと最前線から退いた隠居オタク(自称)の余生満喫系ブログ Twitter垢→@yonepon_pp_idol

ランガちゃん1stアルバムRun Girls, World! 感想と考察とオタクの感情

 

前置きは省略。Run Girls, Run!(ランガちゃん)の1stアルバムRun Girls, World!に収録された全14曲の独自考察です。楽曲そのものの感想というよりは背景と物語についての感想多め、かなりごちゃごちゃしてますがご容赦ください。はやまる推しランナーですがWUGのオタク兼プリチャンのオタクも自称しています。

 

01. カケル×カケル

Wake Up, Girls!新章」劇中歌、ランガの始まりの曲。1stシングルより前なのでゼロ番目の楽曲とも呼べるか。「走る」というユニット名と曲名を体現するような疾走感のあるロックナンバーである。何者でもなかった普通の少女が夢に向かって駆け出す一歩を描く歌詞が尊い。始まりを描いた曲ながら、トップアイドルを目指す道程は決して明るく楽しいだけではないという現実の重さがほんのり香ってくるところはしっかりWUGの世界観を継承してるように思える。タチアガレ!と同じく劇中の作曲はTwinkleであり、経験を積んできた彼女らの新境地と言われている。現実でも神前暁氏の作曲だが、編曲は広川恵一氏であることが後のランガ楽曲に彼が深く関わっていることを考えると重要なポイントだと思う。2020年現在、I-1clubのキャストや一部のカバー案件を除いて事実上「ライブでオリジナルフルメンバーで歌われることがある」唯一のWUG関連楽曲として表舞台に残っていることもこの楽曲が持つ重要性のひとつである。

 

02. スライドライド

デスマーチからはじまる異世界狂想曲」OPテーマにしてランガの1stシングル。作編曲の広川恵一氏が全力でランガちゃんをブン回しに来たような、率直に言って「難しい楽曲」だと感じる。アニメはいわゆる異世界転生モノと呼ばれる作品であるが、未知との遭遇や仲間との出会い、持っている力をうまく使って未来を切り開くことなどの作品テーマが歌詞からも感じられ、それはランガ自身の姿勢にも通じるように思える。まだ見ぬ仲間、ランナーが今後も増えていくにつれてこの曲が持つ意味も少しずつ変わっていくのだろうと想像する。

 

03. りんごの木

林鼓子ソロ曲。「はやまる」「ここ」「林檎」といった本人の名前メンバーカラーの赤を歌詞に含むギミックはさすが只野先生である。はやまる自身が好きなジャンルだと言うロックな楽曲であることも嬉しい。少々重めな歌詞を含みながらも明るく前向きに歌い飛ばしている印象なのは彼女が持つ歌の力によるものか。デビューしてから初のソロ曲を歌うまでに2年ほどかかったが、その間の多くの経験が存分に歌に込められているように思う。はやまる自身も言っていたがストリングスのサウンドがとても良い。

 

04. キラッとスタート

ランガちゃん3rdシングル。プリリズ、プリパラに続くプリティーシリーズ作品「キラッとプリチャン」最初のOPテーマ。主にi☆Risが担当してきたプリパラOPテーマを引き継ぐような位置付けのタイアップ曲である。カケル×カケル、スライドライドと並んで初期のランガの主力路線を決定づけた1曲だと思う。そして自分がオタクとして「ランガちゃんとは長い付き合いになる」と確信したのもこの曲から。作品のテーマ「やってみなくちゃわからない!わからなかったらやってみよう!」と、新しい一歩を踏み出す桃山みらい達キャラクターの前向きな姿勢が詰め込まれた歌詞がとても良い。青葉りんかや紫藤めるのデビューしてからの展開を観てこの曲の印象もまたひと味変わった感じがある。ライブにおけるコールがi☆Ris現場式に極めて近い1曲でもあり、独特の盛り上がりが熱い。

 

05. Go! Up! スターダム!

プリチャン第3クールOP、3rdシングル。キラスタと比べると大人っぽさを感じる曲調である。もし自分が女児だったら憧れてるお姉さんたちって感じ。プリチャンアイドルとして物語を進める中で生まれた葛藤や仲間とのすれ違いなどが歌詞に表現されているように思える。そしてそれはランガの活動にも重なる。1stツアーにおいてははやまるの口上を入れてから歌うなど、当時のランガの中でも重要度の高い楽曲としていたことが伺える。時期的には「WUGの解散が正式発表された後」のリリースであることを意識して聴くのも深いものがある。

 

06. Break the Blue!!

「ガーリーエアフォース」OP、4thシングルの1曲。プリチャン以外ではスライドライドに次ぐアニメタイアップ楽曲。森嶋優花がメインヒロインのグリペン役で出演しており楽曲センターを務めることも見逃せない。強大な敵に対して絆の力で立ち向かうというアニメの物語がランガ自身の姿にも重なるように見える。現在でもWUGやi☆Risと比べて見られることも多いランガが、その縛りを振り切ってランガだけの色を掴んだ1曲でもあるんじゃないかとも感じた。

 

07. Darling Darling

森嶋優花ソロ曲。アルバムではBtB!!の次に並べてるのが良い仕事してる。3人の中でも個性が強く、推してるオタクも個性が強い(偏見)、彼女にぴったりな曲である。王道ガチ恋アイドルソングなのに新しく見えるのは、この界隈がどれだけ重いものを背負ってきたんだという話。(恋愛テーマを含む曲は四季シリーズもあるが、あちらはもっともどかしくて切ない。)だからこそ、締めの歌詞でもあるI love youというシンプルでストレートな言葉に強さを感じる。

 

08. never-ending!!

BtB!!と同じ4thシングルのもう1曲にしてプリチャン第4クールOPテーマ。物語のクライマックスを感じさせる美しい曲ながら、タイトル通り「まだ物語は終わらない」という言葉を力強く歌い上げている。「やってみなくちゃわからないんだ」に込められた想いが熱い。曲名が全て小文字表記であることも、この曲が物語や文節の途中にある通過点でしかないことを示しているように思う。新たな展開のプリチャン2年目に繋ぐ希望の曲であり、一方でWUGの解散直前にリリースされた楽曲であることもオタクの感情を震わせる泣きの1曲。

 

09. ダイヤモンドスマイル

プリチャン2ndシーズンOP、ランガの5thシングル。ランガの2019年を代表する曲だと思っている。2年目を迎えて加速するプリチャンの物語を象徴するような前傾姿勢が感じられ、2段階に盛り上がっていくサビなどが気持ちいい。アニメおよびゲーム筐体ではジュエルチャンスにも用いられる曲であり、これぞプリチャン2年目そのものの1曲である。キラッツやメルティックだけでなく、リングマリィの2人やだいあちゃんの背中を力強く押す曲にも感じる。

 

10. 水着とスイカ

アルバム発売前から話題になっていた問題の1曲、只野菜摘石濱翔タッグによる四季シリーズ最後の曲。「夏」をこれほど柔らかい音と切ない歌詞で表現するのがさすがランガ作曲陣営である。歌の中に語りを挟んでいるのは、3人がアイドルではなく声優であることによる表現力の高さを存分に活かしているように思える。アニメタイアップを中心に戦ってきたように見えるランガがノンタイの曲でもこれほどまで存在感を示せるのは、彼女たちが声優ユニットの枠に収まらずアーティストとしての実力もつけてきたことの証明と言えるだろう。

 

11. 逆さまのガウディ

厚木那奈美ソロ曲。はっきり言うとこの曲をちゃんと考察できる自信がない。あまりに難しい曲であり、那奈美さん自身が底知れぬポテンシャルを持ってるということ。なんというかひたすらにオシャレ、そして声が良い。オタクの手に負えないほど深い楽曲をアルバムの中のソロ曲に投入してくるあたりが強いユニットだった。ちゃんとした感想はライブで聴いてからかな。

 

12. Share the light

6thシングル曲。アニメ「アサシンズプライド」OPテーマ。楽曲派界隈ではリリース当初から散々話題になってる完全神曲のようだが、オタク達もっと歌詞について語ってくれやと前々から思ってたので少し語りたい。暗闇に包まれた世界で武器を取って戦うこと、力をシェアすることで主人公たちの運命や弾圧に立ち向かうという作品世界のテーマが歌詞や音楽に存分に込められていると思う。1人ではなく仲間と想いを共有することで前に進むという歌詞がランガの姿勢も示している。曲名に含まれる「light」のLが大文字ではないところにも意味を感じる。

 

13. イルミナージュ・ランド

本アルバムが初収録のプリチャン3rdシーズンOPテーマ。これまでのプリチャンの積み重ねを感じる曲調ながら、タマゴやヒヨコ育てるといった歌詞や成長というテーマが物語の原点を感じさせる。まさに「始まりの予感」がする、新シリーズの幕開けにふさわしい1曲である。

 

14. ランガリング・シンガソング

アルバムのラストを締めくくるリード曲。約2年半の間アニメタイアップOPテーマを歌い続けてきたランガの“今”を象徴するのがノンタイアップ曲かつEDテーマっぽさのある曲であるところに熱さがある。カケル×カケルを踏襲した疾走感のある前向きな曲調ながら、歌詞には「まだたりない」「もどかしくもつれて かすれていく」「理想はまだ遠い」といった重めの言葉が目立つ。「とどいて とどいて」と繰り返し噛み締めるような願いの言葉に心を寄せずにはいられない。展開としてはまだまだこれからに見えるランガちゃんが「バトンを繋ぎきった時」「ゴールで」という言葉を歌っていることには重い中身が詰まっているように感じる。歌詞に出てくる一人称が「私」であることはカケル×カケルと共通しているが、この曲においては強さと弱さが混在した等身大の人間を表現してるように思う。「赤 水色 オレンジ色さ」とメンバーカラーを言い切ることは、この曲がランガの3人にしか歌えない曲(Run Girls,Run!としてしか歌えない曲)であると宣言しているように聞こえる。「好きだよ 好きだよ 叫んでいる」→「(Run Girls, Run!)」の一節は、只野さんが我々ランナーに授けてくれた言葉とも解釈できる。歌詞のひとつひとつを掘り下げればきりがないが、この曲が今のRun Girls, Run!の全てを象徴する1曲であることは間違いない。

 

総括

自分としてはできるだけ簡潔に書いてきたつもりでしたが、かなりの文量(ここまで約4000字)になってしまいました。アルバム1枚14曲にこれほどの情報量と物語が詰まっているというのが今のランガの持つ質量なのでしょう。曲順は基本的に時系列をなぞっていますが、ソロ曲や水着とスイカの並べ方が絶妙で良いと思います。

 

タイアップ曲はタイアップ先のアニメ世界観をしっかり表現した上でランガ自身の物語も乗っていて、ノンタイ曲はランガ本体とは異なる楽曲ストーリーを歌いながらも声優として持ちうる表現力を存分に活かす楽曲が多い・・・という傾向でしょうか(アルバムに入ってない楽曲も含め)。そしてランガリング・シンガソングだけは例外的にド直球にランガ自身の今と未来を歌っているという。

 

これまでのランガの集大成であり、そして入門編でもある1枚。もっと聴き込んでいけば違った感想も湧いてくるかもしれませんが、今の自分はランナーとしてここまで来たという記録の意味も込めてこの感想文を残しておきます。