オタクの備忘録

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第1楽章の終わりと物語の始まり...ラブライブ!スーパースター!!第12話感想と考察

ラブライブ!スーパースター!!第12話「Song for All」が放送されて数日経ちました。

 

本作においては一応の最終話として描かれているエピソードであり、途中に数週の放送休みも挟みましたがおよそ1クールの物語がひとつの節目を迎えました。とはいえこれで完全な終わりという雰囲気はなく、この先の物語がまだまだ続くことを思わせる形だったのは間違いありません。それっぽく言うなら「Liella!第1楽章」の終わりといった感じでしょうか。視聴直後にこの言葉がなんとなく浮かびました。

 

そんな12話を迎えるまでにも心揺さぶられる熱いエピソードが展開されてきましたが、感想ブログという形で言語化することがなかなかできませんでした。12話放送の直前には「CYaRon! 2nd LoveLive!~大革命☆Wake Up Kingdom~」のDAY1幕張メッセ現地に足を運んでいたりもして慌ただしい日々だったのですが、今回こそは感想を残しておこうと思います。

 

なお、前に書いた第8話の感想からだいぶ空いてしまいました。↓

yonepon-wake-up.hatenablog.jp

 

見どころ充分な第12話、振り返ろうと思えば全てに対して感想が溢れるのですが今回は観ていて特に気になった箇所とそれに対する自分なりの感想・考察を添えるという形で書いていきます。

 

 

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澁谷かのんの奮起

OP明け冒頭からの練習シーン。かのんちゃんの変化・第1話からの対比と、ここに至るまでの物語の積み重ねを象徴しているように思う。「以前よりだいぶ変わりましたね」と客観的に言っている葉月恋が1番変わっているように見えるのが面白い。

 

廃校危機の回避

金銭問題と生徒数の問題をあっさりとクリア。これは「廃校阻止という大義名分だけではここから先は通用しませんよ」という提示に思う。

現実のラブライブコンテンツもμ's駆け出しやAqours初期の時代とは規模が大きく違う一大ジャンルになっている(現状ファンの数や資金面で追い詰められることはおそらく少ない)ということを踏まえて、時代の変化を感じつつこれからのLiellaに求められるものを考えてみたい。

 

リモート生中継によるオンラインライブ

コロナ禍による配信ライブ全盛の時代、動画配信媒体や配信技術の進歩も描かれる。Liella最初のリリイベも無観客だったことを考えると、この展開はアツい。

ステージの規模はどうするか問題、現実のライブ会場不足も影響しているか?特に都内では厳しいという話も聞く。今月末からの1stツアーもラブライブとしては小さめの箱で全国各地を回る形になっている。

 

勝つことになぜこだわるのか

澁谷かのんがサニパの2人に問う、この迷いそのものが「ラブライブラブライブである意味」に触れているように思える。LiellaがなぜLiellaとして歌うのかという核心に繋がる問い。歌えば分かる、という話の通り答えはこのあと示されることになる。

 

ライブ当日朝の描写

野生では夜行性とされるフクロウ、マンマルが眠っている

→Liellaにとっての「夜明けが近い」という暗喩か?

ヘッドホンは要るか?→もう大丈夫!というやり取り

「ヘッドホンが重要なアイテムである」という考察は初期から多く見られてきたが、そんな第1話との対比表現にこだわりが感じられる。

 

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ライブステージの設営と演出

雪の降る街にキャンドルの光で道をつくる結ヶ丘生徒たち

→まず第一にμ'sのスノハレを思い出す場面、それからAqoursのヨーソロード・果南レールにも見える。

曲がり角からステージが見えるワクワク感、実際のライブ会場に入る瞬間を思い出す。

 

通常の客席にあたる部分までステージ演出に組み込めるのはオンラインライブだからこそ...とも考えられるが、実際の生のライブでは「観客まで含めて演出」になるかもしれない。オタク、試されている。

 

楽曲は「Starlight Prologue」やはりプロローグ、ここが最終話ではなく始まりであることを明確に示している。

今までになくメンバーカラーがはっきり分かれた衣装、個性の爆発とユニットとしての一体感の両方が表現されてるように思える。

 

敗北から生まれる悔しさ

みんなが協力してくれたからこそ「勝ちたい」と思えたこと、これが前に進む大きな一歩。「Liellaの歌で、結ヶ丘の歌で」という宣言が特に重要で、今までのラブライブシリーズとは全く違うものを作り上げて勝ちに行くぞという覚悟の表明とも取れる。この言葉を澁谷かのんCV伊達さゆりが放つことで火力が増す。

 

しつこいほど過去作に似せてきたライブ演出からの敗北を描いたことに意味があって、それでは勝ち残っていけないという答えが込められているんじゃないかと想像する。奇しくも放送当日には過去の常識をぶち壊すようなライブ"大革命"を起こしたCYaRon2ndが被っていたというところがまた面白い巡り合わせに思った。

 

次の季節へ

桜が咲いているので季節は春、ライブ直後のすぐ次のシーンが部室で練習を始める場面であるというスピード感が良い。

冒頭いきなりOPから始まって、最後の最後まで尺ギリギリまで詰め込んで駆け抜けた感じが熱かった。それでいてEDはしっかり流して締めるのが偉い。通常のEDの後にリエラのうたが来るという二段階エンド構造が心に沁みる。チョコわたるしみ

 

「OPの前にアバン無し、EDの後に後日談無し。」ストレートに本筋だけで殴ってくるという最終話として質実剛健すぎる構造がクソかっこいいかよ。

 

サニパのライブシーンは?

順位の結果だけが表示されてサニパのライブシーンが描かれてないことは自分も気になったが、「観てないライブは分からない」という当たり前の答えで解釈したい。

例えばスーパースター12話放送日にCYaRon2ndのDAY2現地に行っていたオタクはスーパースターをリアタイできていないし逆の場合も然りという事実が頭に浮かんだ。ラブライブ以外のライブコンテンツも同様で、自分の目で見てないステージを語るというのはやはり難しい。

 

勝つためのステージだと思っていないから相手を見ていなかった(自分たちしか見えていなかった)という解釈もできる。勝敗にこだわらない真っ直ぐな姿勢、これはこれで熱いものがある。

 

残った課題と今後の想像

・かのんちゃんはこのまま普通科で進級するのか

→かのん転科の可能性を考える場合、千砂都はどうするのか

・クゥクゥちゃんの帰国問題は?

(これが最も重要か?そう思わせといて意外とあっさり解決するパターンも有る)

・すみれのショウビジネス活動はどうなるか、スカウトは来るか

・2年生への進級、入学してくる新1年生からスクールアイドル部に入る者が出てくるのでは

→Liellaに追加メンバーはちょっと考えづらいが可能性はゼロではない。あるいは新1年生のみで新しいユニットを組むか、虹ヶ咲のようなソロ方式か、裏方スタッフに徹するパターンなどが考えられる。

 

-----(以上、第12話感想終わり)-----

 

全話を振り返ってまとめ

テレビアニメ「ラブライブ!スーパースター!!(第1期)」は、ラブライブシリーズの一角を占める最新コンテンツとしてのLiella!の覚悟を描いた作品になったんじゃないかと私は思います。その背景にはラブライブシリーズ全体で10周年を超えた歴史の長さと、そのラブライブの影響を少なからず受けてきたラブライブ外のアイドルアニメ・声優ユニット系コンテンツでも面白いエンタメが山のように転がってる今の世の中があると考えています。

 

ラブライブを追わなくても幸せになれるこの時代に、私はLiella!を推していきたいのです。心からそう思えるだけの熱いアニメを追いかけることができました。アニメに続くLiellaの1stライブツアーももうすぐ始まります。2次元と3次元の両面で結ばれていく物語の先で、まだ誰も見たことがない景色を彼女たちが見せてくれるんじゃないかと期待して、熱く見守っていこうと思います。