オタクの備忘録

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【初心者向け】WUGファイナルライブSSAのBD映像見どころ徹底解説【後編】

Wake Up, Girls!ファイナルライブ「想い出のパレード」ブルーレイ映像独自解説の後編です。前編を読まれていない方はこちらから読んでいただければ嬉しいです。いくつかの注意事項なんかもこちらに書いてますのでご了承ください。それでは始めます。

 

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16. 雫の冠

ライブはいよいよ終盤に差し掛かります。幕間映像明けで歌うのは「雫の冠」アニメ新章のED曲です。1期のEDである言の葉青葉を意識したような曲調ですが、WUG自身の成長もあってより洗練された楽曲になっている印象です。言の葉青葉もそうですが、ひとつひとつの歌詞を噛み締めるように感情を込めて歌われる吉岡さんのソロパートが見どころです。ゆったりした曲で派手さは少なく見えますが、実はフォーメーションに結構動きがあるので注目して見てください。今回は次の曲に向けた立ち位置移動もシームレスに行われています。

 

ここでライブ終盤を飾るにふさわしい衣装に変わっています。19年1月に発売されたベストアルバム「Wake Up, Best! MEMORIAL」のジャケットに使われていることからメモリアル衣装などと呼ばれています。WUGが披露した中では最も新しい、最後の衣装です。基本的なデザインは7人共通です。

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ちょうどこの円盤発売記念に開催された衣装展に行ってきたので参考写真も貼っておきます。 ユニットカラーの緑と、眩しい純白を基調とした華やかな衣装です。前面には歴代の衣装をデザインした7つのワッペンが貼られています。左の上から7Senses衣装・アガペー衣装・極スマ衣装・7GW衣装。右がPolaris衣装、BtB衣装、少女交響曲衣装。WUGの6年間の歴史を凝縮したようなラストにふさわしい1着です。

 

17. 少女交響曲

WUGを知りたいならこの曲を聴けと言っても過言ではない、最強の1曲がここで来ました。アニメWUG続劇場版の前編、青春の影のテーマ曲です。タチアガレ!と同様にWake Up, Girls!の叫びが入るイントロ、交響曲の名に恥じない美しいストリングスに7人の個性溢れる歌声がマッチして最高に気持ちいい楽曲です。マイナー調のAメロBメロから明るい光が差し込むようなサビに展開する流れは正にWUGらしさの塊です。フォーメーションも1フレーズごとに激しく動いていますが、BD映像では特に7人の表情の変化も見逃せません。個人的には2番Bメロを伸びやかに歌う田中パートが推しポイントです。サビ前のかけ合いコールも定番ですが、特に2番でコールを煽る吉岡は必見。「もうひと押しじゃん」を「推しジャン」に掛けて、ここでジャンプしてるオタクもいます。

 

2番サビが終わるとリーダー青山とセンター吉岡、2人の歌姫がぶつかり合うように歌うかけ合いが入ります。間奏明けの落ちサビは山下と田中の2人が担当です。アニメでもリアルでも関わりの深い2人のかけ合いは後述のPolarisでも出てきます。大サビの「笑顔だけは今日もチャージして」で手の出し方が1人だけイケメンになってる吉岡さんもバッチリ抜かれてますね。

 

大型フェスでも何度か歌われておりワグナー界隈の内外から人気の高いこの楽曲。18年5月に行われたWUG楽曲人気投票(一般の部。ファンクラブ投票ではない)では数多の名曲たちを抑えて1位を獲得していました。業界関係者からの支持も厚く、特に大田役の下野紘さんが-全集中 オタクの呼吸-でこの曲の魅力を熱く語った動画は必見。

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アニメ青春の影の劇中では、東京に進出したWUGが様々な苦難に飲まれる中で天才音楽プロデューサーの早坂相(CV鈴村健一)がおイモちゃんたちのためにこの曲を持ってきたことでWUGの再起が始まります。アニメでもリアルでも逆境の中を突き進んできたその姿こそがWUGの最大の魅力であると私は思います。「健闘を祈るよ、おイモちゃんたち。」

 

18. Beyond the Bottom

続劇場版の後編「Beyond the Bottom」から、そのタイトルを冠したテーマ曲です。略称BtB。ライブ序盤の幕間映像でも一度流れていました。この曲について語るのは非常に難しいですが、まずは作中でもここSSAで歌われていたという話からでしょう。WUG単独のSSAでこの曲が歌われる日を夢見たワグナーは数知れず。そんな悲願が叶って広大な会場が白一色に染まる光景は圧巻です。まさにアニメの完全再現、いや会場の全てをワグナーで埋め尽くしているのですからアニメを超えたと言って良いでしょう。

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2017年のアニサマでも披露され、他アーティストの楽曲には見られない印象的な曲調とWUGの高いパフォーマンス力で話題を呼びました。最初の左4人・右3人で向き合う特徴的なフォーメーションを見た瞬間にワグナーは泣く。歌い出しからこれでもかというぐらい感情を込めて歌う姿。メンバー自身をもって「BtBは魂で踊っている。人の形をしていない」とまで言われる力強い歌とダンス。やはりここでもまず注目すべきはセンター吉岡の一挙手一投足、最初から最後まで一瞬たりとも見逃せないでしょう。これ以上はもはや言語化できないので観るまま聴くままに感じてほしい。

 

1番サビを歌い終わって前に出る田中の「WUG、最高ー!」はアニメの再現です。これも花道とセンターステージがある時にしか出ない。(厳密に言えばアニサマでの出来事が形を変えてアニメに持ち込まれたものではあるが、詳細は割愛。)アニメではそのままエンドロールに入りますが、やはりこの曲はフルコーラスのライブ映像で観てほしい。この円盤を買った皆さんはその時点で勝ちです。おめでとうございます。

 

2番サビのあとは山下のソロパートが来ます。劇中で大きな役目を持っている菜々美のための見せ場です。間奏部分は照明演出がメチャメチャに良い。光だけでなく「影」でも魅せられるのがWUGの強さですね。落ちサビは説明不要、俺たちのセンター吉岡さんです。過去のフェスでも「WUGの赤い人すごい」なんて感想が何度言われてきたものでしょうか。そしてラスサビ「祈り捧げる」奥野。アウトロの最後の一瞬に至るまで照明演出が神です。

本当に見どころしかない。神々しい。マジでBtBは100回観てください。泣くけど。

 

余談ですが、BtBはその日その時点でのWUGの強さがハッキリ見えるような楽曲でもあり、SSAの円盤だけでなくファイナルツアーやそれ以前のライブ円盤を見比べるとその著しい成長具合に驚くかと思います。一見の価値あり。

 

最後の4曲について

短いMCを挟んでラストスパートです。ここからの4曲は先述のベストアルバムMEMORIALに収録されたWUG最後の4曲で、これまでの名曲を作り続けてきた音楽製作集団MONACAの凄腕クリエイター4名が、解散に向かうWUGのために1曲ずつ書き下ろした渾身の楽曲たちです。なお作詞は同じくWUGに寄り添い続けてきた只野菜摘先生が全て担当しています。曲調の異なる4曲が連なってひとつの作品になるよう作られており、1曲目の最後のフォーメーションが2曲目の最初に、2曲目の最後のフォーメーションが3曲目の最初にと、それぞれ繋がっていく仕組みにもなっています。4曲目の最後は何に繋がるのか・・・ぜひ調べてみてください。タチアガレ!

 

ちなみに「新曲4曲を製作します」と発表された直後のライブでは、曲名より先に担当クリエイター4名が発表され大いに盛り上がりました。そんなコンテンツある????

 

19. 海そしてシャッター通り

作曲は高橋邦幸先生。WUGではアニメの劇伴を中心に担当されてきた方です。言の葉青葉や雫の冠と同じく静かな系統の曲ですが、それらとはまた違った雰囲気。冬の東北、海辺の町の光景が思い浮かぶ一本の映画を見ているかのような情感溢れる楽曲です。どこかノスタルジックな空気が漂うため皆さんそれぞれの故郷を思い浮かべる人も多いのでは。間奏部分にはアニメ新章の劇伴から、特徴的なフルートのフレーズが引用されています。表情の移り変わりや照明にも見どころが多いため、繰り返し視聴するとどんどん魅力が見えてくるかもしれません。

 

20. 言葉の結晶

私の推し曲としてこれを挙げます。変拍子を交えたテクニカルな曲調に、緩急ある激しいダンス。WUGの中でもBtBと並んで最高難度の1曲と言えるでしょう。作曲は広川恵一先生。後述の田中秀和先生と双璧を成す神の1人です。この楽曲をどう例えればいいのか分からないのでまずは聴いてください。円盤買ってない人は公式の試聴動画でも可。ただ、音源を先に聴いてからライブを観るとダンスが想像以上に激しいことに驚くはずです。WUGのライブでは当たり前ですがこれも100%生歌です。ヤバい。あとこの曲の特徴としては「感情を込めずにプラスチックのように歌う」などというディレクションがなされているという話でしょうか。他の楽曲にはない無機質な表情が見られます。SSAではあまり見られなかったものの、ツアーでは2番終わりの「もの言わぬ声だった」に合わせてブレードを消灯するという技が開発されていました。これを覚えたら貴方もワグナー上級者です。

 

新曲4曲はファイナルツアーのパート3で順番に披露され、この曲は1箇所目の熊本公演で投入されました。当時はアルバム発売前だったので「ここで曲だけ聴いて作曲担当者を当ててみてください」という謎のゲームが開催されましたが、ワグナーのほとんどが「恵一!!!!」って叫んでました。だからそんなコンテンツある?????

 

21. 土曜日のフライト

これまでの楽曲のどれとも似ていない不思議な楽曲。作曲は田中秀和先生です。言葉の結晶とは対称的に深く感情を込められたような歌唱と、抽象的ながら強いメッセージを感じる歌詞が特徴です。キャッチーなフレーズもありますが、そこに差し込まれる「忘れないで でも上手に忘れて」などの歌詞がグッと胸に突き刺さります。そもそも「土曜日のフライト」とはいったい何を示しているのか・・・果てしない考察ができる1曲です。「作詞の只野さんは私たち(WUG)の心を読んでいるのか?」とまで言われていました。

 

少女交響曲やBtBを始め、数々の名曲を生み出してきた田中秀和先生。実はSSAライブの3月8日当日に都内で別の出演イベントが重なるという事態があったのですが、双方の愛ある調整によりなんとかWUGファイナルを見に来ることができたというエピソードもあります。あと「山下七海推し」としても知られており、山形で開催された山下のソロイベントにゲスト出演したこともありました。

 

22. さようならのパレード

4曲の中でラストはこの曲、タイトルから説明するまでもなくファイナルライブのための楽曲ですね。作曲は神前暁先生。WUGメンバーのオーディションにも立ち会い、タチアガレ!を作曲したというWUGの基礎を作った人物の1人。この曲のイントロにもタチアガレ!のメロディが引用されているほか、タチアガレのサビ頭Wake Up!の音がフックとして繰り返し鳴っています。そしてライブタイトルの「想い出のパレード」はこの曲名から来ています。WUGを本当の最後を飾る楽曲です。詳しく解説するのは野暮なのでまずは1回聴いて歌詞を噛み締めて泣いてください。話はそれからです。

 

・・・とは言え、まずは振り付けに注目してみましょう。勘のいい人は気づいたでしょうが、これまでの楽曲の振り付けが随所に散りばめられています。泣いた。背景のスクリーンからは度々表示される歌詞が突き刺さります。間奏部分の「Wake Up, Girls!」コールは、スクリーンに映る旗の演出からファイナルツアーで自然発生したものです。一番最後の「Wake Up!」は歌詞カードには載っていません。7人が順番に礼をする場面は舞台の演出を彷彿とさせ、ここで拍手が起こっています。最後は客席に背中を向けて終わるのが本当に切ないです。今見ても苦しい。でもそこが好き。本当に素晴らしい1曲でした。

 

この曲がライブで披露されたのはSSA含めて4回でした。ファイナルツアーのラスト1個手前の愛知公演で昼夜1回ずつ、千秋楽の仙台公演で1回、そしてSSA。愛知公演の当時はここで歌うと思っていなかったので、あまりにも不意打ちが強烈すぎてボロボロ泣いた想い出があります。しかしコールや拍手は初披露の後から少しずつ出来上がっていったものなので、愛知で披露してくれてよかったと今は心から思います。

 

アンコール

ライブ本編を締めくくり、長く鳴り止まない拍手から続けてアンコールの「Wake Up, Girls!」コールが始まります。ユニットカラーのWUGグリーンに染まっていますね。個人的にはツアーよりも遥かに広いSSAでこのコールがしっかり揃うか心配していたのですが、ワグナーには関係なかったみたいです。映像ではこのあとも同じコールが出てきますが、少しずつ雰囲気が異なるので見比べると面白いです。

 

EN1. SHIFT

直前の号泣ムードを吹き飛ばすかのように明るく愉快に始まるこの曲は、意外なことにスキノスキルのカップリング曲です。タイアップもなくマイナー寄りな楽曲にも関わらずANIMAX MUSIX横浜公演に投入されたことが話題になりました。ライブ初披露はファイナルツアーパート1から。ビッグバンド調の音楽に響き渡る「レッスン!レッスン!」のコールが気持ちいい。背景もブロードウェイ風になります。大都会の煌びやかな夜景はこれまでの曲とはまた違った魅力があります。

 

WUGでは珍しく、衣装はSHIFT専用のものになります。他の衣装の上から着る外套型なので曲が終わるとステージ上でそのまま脱ぎます。振り付けもこれまでとはまた違った激しさがありますが、歌にはブレがなく疲れを感じません。もうアンコールなのに。2番からは椅子を使ったパフォーマンスも入ってきてより楽しいです。落ちサビの「つかめないよ」通称「七海三連符」を噛み締めよう。

 

なお、ツアーの際は間奏部分で客席に降りて通路を練り歩き、「鍵」を探すという演出がありました。その様子が収録されたファイナルツアーパート1の円盤も好評発売中です。ぜひ買ってください。

 

EN2. 地下鉄ラビリンス

怒涛のアンコール、ブチ上がり系の楽曲が続きます。BtBのカップリングから地下鉄ラビリンス、通称地下ラビ。先ほどのSHIFT衣装を脱ぐところから始まります。半袖のライブTシャツにメンバーカラーのスカートというアンコールらしい軽装になりました。見て分かる通りスカートはSHIFT衣装からデザインを流用しており、メンバーの名前も入っています。

 

今回はトロッコなので簡略化されているものの、この曲の振り付けはダンスの得意な永野愛が作っています。振りコピも楽しいのでオススメ。「乗り込めないよ~」と歌いながら平然とトロッコに乗り込んでるのがジワる。「満員電車~」のところで個性が出ています。2番では長時間のライブを経てみんな最高にお腹が空いてるので「オレモー!」に気合いが入ります(笑)が、このパートの田中が最高に可愛い。中盤のかけ合いラップバトルパートはCD音源とは異なるライブアレンジです。落ちサビは高木→永野と続きますが、その周りで完全にオタクになってるメンバーが面白すぎて歌が入ってこない。あとね、やっぱり歌詞が良い。楽しいのにどこかホロリとくるんですよこれが。

 

なお、ファイナルツアーのパート3ではSHIFTと同じく客席に降りて駆け抜ける演出がありました。その様子が収録された円盤も好評発売中(以下略)

 

EN3. TUNAGO

たくさんお世話になった東北に、感謝の思いを込めて」という前置きから歌われるこの曲。CD音源としては恋で愛で暴君ですのカップリングとして収録。「TUNAGO(ツナゴ、繋ごう)」という曲名通り、人と人、過去と未来、そして東北六県を繋ぐようなテーマの曲になっています。TSUNAGOではなくTUNAGOなのは、6文字であることと東北六県がかかっています。4thツアー、ファイナルツアー、東北ろっけんソロイベントツアーや岩手・福島チャリティライブなど文字通り日本各地で歌い繋がれてきました。

 

サビの手振りはワグナーも一緒にやるのがお決まりとなっています。というか曲が流れると反射で手が動くレベル。この曲も振り付けは永野愛宮城県出身)が担当しています。楽曲センターは奥野(岩手県出身)。間奏部分の7人で「繋ぐ」振り付けが尊い。サビの最後、手を前に差し出す振りは推しと同じタイミングでやるのが推奨。箱推しの場合は「7回差し出す」という人もいるとかいないとか。なお、過去のライブで公演によってはワグナーも一緒になって大合唱が起きたこともありました。感動。

 

大きな締めくくりの曲としてさようならのパレード・Polaris・タチアガレと同じくらい重要なこの曲順にTUNAGOを置けることが、WUGと東北の密接な関係性と、このコンテンツの特異性を象徴していると思います。

 

ダブルアンコール

長い長い拍手で力を溜めてから、Wake Up, Girls!コールが一気に爆発しています。緑一色に染まった会場、力強く振られるブレードを見るだけで泣けてきます。

 

最後に出てきた姿はPolaris衣装。アニメ新章の最終話で使われた衣装の再現です。上品な白と紺、煌びやかなティアラが尊い。そしてマイクとともに手に持っているのは手紙です。通常なら最後の挨拶を行うところ、今回は手紙を書いてきたとのことです。ちなみに某4色の探偵もファイナル武道館では手紙にしていました。SSAでも手紙って聞いた瞬間にフラッシュバックして頭抱えて崩れ落ちたオタクもいた。

 

メンバーそれぞれの熱い思い、感謝の気持ちがひしひしと伝わってくる素晴らしい7通でした。ここの解説は割愛します。どうしても気になるという人のために、手紙全文が掲載されたこちらの記事↓を紹介させていただきます。ファミ通さんもありがとうございました。

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DEN. Polaris

「聴いてください、Polaris。」再び白く染まる会場。アニメでは新章最終話にて披露されました。詳しくはアニメWUGを最後まで観てください。劇中の展開でキャラの方の七人がこの曲の作詞に挑戦していますが、実際に現実の7人が作詞した曲になります。作曲は田中秀和(早坂相)。これまでも影ナレの脚本などを書いてきた吉岡が、メンバー全員からの案をまとめ上げて詞が完成したと言われています。そして各パートの歌い分けもメンバーと相談しながら考えられたというエピソードが、ファイナルツアー中のリーディングライブ(朗読劇)にて披露されています。「この歌詞を歌うのはなぜこのメンバーなのか」を考えながら聴くと深いです。そして振り付けは永野愛。今回地下ラビから3曲続けて永野さん振り付け曲なんですね。(この記事書いてて気づきました。)

 

Polarisポラリスとは北極星のこと。夜空でもひときわ明るく輝く星であり暗い夜でも方角を見失わないための道しるべの象徴です。そして、歌い出しの独特なフォーメーションは北斗七星を表しています。北斗七星は北極星を見つけるための目印とも言われており、このフォーメーションが指し示す北極星は客席の方向。つまりWUGを明るく照らす道しるべがワグナーであるという意味が込められています。(WUGもパチスロになってるけどあっちの北斗とは関係ありません)

 

しかし、歌詞の意味に向き合うと決して明るいだけの曲ではありません。「街明かり消えた夜」と歌われているのは"あの日"の東北のこと。当事者ではない私がこれ以上を語るのは恐れ多いですが、意識して聴くと深く考えるものがあります。過去のインタビュー等で、永野さんは「あの日の星空は綺麗だった」と語っていました。そんな出来事の上に成り立つ1曲であります。繰り返しますがWUG7人自身が作詞した曲です。WUGに向き合うならぜひ頭の片隅に入れておいてほしいです。

 

ブレードを白にするのはアニメの再現ですが、吉岡ソロパートで一瞬にして真っ赤に染まる会場はこのライブ円盤の中でも最大級の見どころです。白から赤、そして推し色に変えるという流れがいつの頃からかお約束になりました。でも最初からこうだったというわけではありません。ライブは生き物。ブレード色の変遷だけでも語ると長くなります。(※ちなみに最後の6月~3月までの独自調査では、Polarisはライブで38回も歌われている最多披露楽曲です。2位はタチアガレで32回。)

Wake Up, Girls!は解散を発表してからファイナルライブまでの間に何百曲を歌ってきたのか?数えてみた。 - よねぽんのブログ

 

ここで銀テープも射出されていますね。ツアーでもクライマックスに銀テが飛んでくるのがお決まりでした。WUG現場の銀テにはライブロゴと7人のサイン入りメッセージが印刷されていますが、多く拾った人が持ってない人に配ってくれるなんていう優しい文化もありました。(ちなみに私も席の関係でSSAの銀テは入手できませんでしたが、仙台の聖地のひとつである「餃子の天ぱり」さんに銀テが寄贈されてるのを見てきました。ワグナーさんありがとう。)

 

大サビは会場全体で大合唱、そして7人が並んで背中に手を回し合う場面では客席のワグナーも肩を組んでいます。特にツアー終盤では通路越しの肩組みも含めて1列全員繋がってるなんて光景もあったりしました。最高に楽しかったです。締めのポーズはやっぱりWUGポーズ。以上、Wake Up, Girls!でした!ありがとうございました!!

 

トリプルアンコール

しかしファイナルライブ、このまま大人しくは帰れません。ここで終わらせるわけにはいかないと先ほどよりも必死にアンコールしています。そのせいでだいぶコールがずれていますが、それでも自然に揃っていきます。必死になったオタクは強い。世界の真理です。

 

その叫びに応えて7人がもう一度出てきます。最初は戸惑っている様子も見せますが、「泣いてるだけじゃWUGらしくない」と、力強く煽ってくる吉岡さんが信頼の塊です。なお、衣装はPolaris衣装のままです。最後の瞬間にふさわしいものとしてアニメともリンクするこの衣装を選んでくれたことが本当に嬉しいです。

 

TEN. タチアガレ!

「さぁ皆さん、灰になる準備はできてますか!!!!」

「明日のことは考えず、とにかく今を楽しめ!!声出せェェェェーーーー!!!」

Wake Up, Girls!!!!!!!

最初の曲、そして最後にして最強。これがWUGのライブです。イントロから熱い声援を受け、メンバーも右に左に広がっていきます。センターステージに駆け出す吉岡さん山下さんの姿が美しい・・・

 

メンバーそれぞれ、仲間同士で目配せし合ったり、抱き合ったり、客席に思いを馳せるような表情をしてみたり、全てが尊いです。途中、感極まってしまうメンバーも・・・いや泣かないで俺も泣くから。仕事仲間という枠を超えて本当の家族以上の絆を築き上げてきたWUGの仲の良さがこの空間に溢れています。

 

最初に歌ったタチアガレ!とはひと味もふた味も違いますね。晴れやかに歌い上げる吉岡ソロにも盛大に「捧げ」を行う6人。そして「叫べぇぇぇぇぇ!!!」タチアガレーーーーーーーー!!!!!!!

 

通常なら青山ソロのところ、「みんなで歌ってー!」と力いっぱい叫んでいます。個人的にはここで多数のUOが焚かれている様子にもグッときます。WUG現場はあまりUOを多用する方ではありませんでしたが、その切り札を今回使うならここが1番熱いところでしょう。最高。最後は花道からダッシュで中央に戻る7人が完全に青春です。この一瞬の輝きを人は「アイドル」と呼ぶのでしょう。これを見られる人生で良かった。本当にありがとう。

 

最後の挨拶

ラストのタチアガレ!を歌う前とはうってかわって晴れやかな表情を見せる7人が美しいです。ライブの始まりと同じ階段上のステージに戻ると再びWUGコールが。そして力強い生声での「以上!Wake Up, Girlsでした!ありがとうございました!」がSSAに響いて、7人は極上の笑顔と感動の涙とともに下がっていきます。その門出を祝福して最後に送り出すのは溢れんばかりのWUGコール。こうしてWake Up, Girls!の長い長い物語はその幕を降ろすのでした。

 

 

総括

以上でライブ円盤徹底解説は終わりになります。荒削りで拙い文章ではございますが、ここまで読んでいただいた皆様ありがとうございました。身内のワグナーしか読んでないか???ただ、1人でも多くの人にWUGを知ってもらいたい、その魅力が未来永劫伝わってほしいと願ってこの記事を書かせていただきました。これ書くために円盤を何度も何度も観返したんですけど、やっぱすごいライブだったんですよねえ・・・そこそこ長くワグナーやってきたつもりですが、改めて気付かされた良さもたくさんありました。

 

この記事を書いててだんだん意識し始めたことが、

「この楽曲がこの曲順で歌われてこういう演出がなされるのはなぜなのか」

「このパートをこのメンバーがこういう立ち位置で歌っているのはなぜなのか」

「この曲でこの色のブレードを振ってこういうコールが入るのはなぜなのか」

という部分をできるだけ多く伝えたいということでした。(個々の解釈によるものなので必ずしも100%の正解はありませんが。)つまり、それを言い換えると「ありとあらゆる要素に意味が込められているのが、WUGのライブである」ということなのではないでしょうか。これをもって本解説記事の総括とさせていただきます。

 

永野さんの最後の手紙では「今気づかれなくてもいい。5年でも、10年でも、20年先でも、WUGってすごいグループだったと言ってもらえる自信があります」と言っていました。その通りだと思います。ワグナーを増やすこと、WUGを好きになることはいつからでも遅くありません。どうか皆さんよろしくお願いします。そしてまた、約束の地の東北で、聖地仙台で、あるいはどこかの遠い未来の現場で、お会いしましょう。

 

いくぞ!がんばっぺ!Wake Up, Girls!